英検だけでなく、英語の文章には分詞構文が頻出します。「なんとなく分詞構文の意味はわかっているけど厳密に説明できない」「SpeakingやWritingなどで自ら分詞構文を使うことはできない」という人が多いのではないでしょうか?しかし、正しく分詞構文を理解する・使えるようになると英語全体への理解が深まり、英検合格に近づきます。この記事では、分詞構文の意味とその見分け方、分詞構文を使って文章を書くときの注意点などを説明します!
分詞構文とは
分詞構文は、非常に重要な英文法の一つです。動詞の分詞形(現在分詞や過去分詞)を使用して、副詞や形容詞のように文中で他の語と組み合わせることで、情報追加することができ、豊かな表現を可能にしています。特に分詞構文は、文章を簡潔にし、動作や状況の背景を効果的に伝えるために用いられることが多いです。
現在分詞(-ing形):主に進行中または同時に発生する動作を表します。
例: Laughing loudly, he walked into the room.
(大声で笑いながら、彼は部屋に入ってきた。)
過去分詞(-ed形または不規則変化形):通常、受動的な意味合いや完了した動作を示します。
例:Built in the 18th century, the castle stands on the hill.
(18世紀に建てられたその城は丘の上に立っている。)
分詞構文の意味
分詞構文は主に6つの意味を持っています。以下にその6つを紹介します!
① 時(〜のとき)
ある時点を表します。
例:Walking down the street, I bumped into an old friend.
(通りを歩いているとき、古い友人にばったり会った。)
例:Waiting for the bus, she checked her messages.
(バスを待っている間、彼女はメッセージを確認した。)
② 理由・原因(〜から・ため)
動作の理由や原因を示す場合に用います。
例:Frustrated by the delay, she called the manager.
(遅延にいらいらして、彼女はマネージャーに電話した。)
例:Exhausted from the long journey, he fell asleep immediately.
(長旅で疲れ果てていたため、彼はすぐに眠ってしまった。)
③ 結果(〜の結果)
ある動作の結果を表す場合に使用されます。
例:The window broken, cold air filled the room.
(窓が割れた結果、部屋に冷たい空気が満ちた。)
例:The game canceled, fans were left disappointed.
(試合が中止となり、ファンたちはがっかりした。)
④ 付帯状況(〜しながら)
主動作とは別に同時に起こる状況を表します。
例:He sat reading the newspaper.
(彼は新聞を読みながら座っていた。)
例:He walked home, humming a tune.
(彼は家に歩いて帰りながら、曲を口ずさんだ。)
⑤ 条件(もし〜ならば)
「もし〜ならば」という条件を暗示します。
例:Given more time, we could solve this issue.
(もっと時間があれば、私たちはこの問題を解決できるだろう。)
例:Written well, your essay can impress the readers.
(よく書かれていれば、あなたのエッセイは読者に感銘を与えることができる。)
⑥ 譲歩(〜にもかかわらず)
ある事実にもかかわらず、という意味を表します。
例:Tired as he was, he continued working.
(疲れていたけれども、彼は仕事を続けた。)
例:Though feeling unwell, she attended the meeting.
(体調が悪いにも関わらず、彼女は会議に出席した。)
分詞構文の意味の見分け方
分詞構文の意味を正確に理解し、適切に使い分けるために、意識すべきポイントを紹介します。
文脈の理解
分詞構文の意味は、その使用されている文脈に大きく依存します。文全体の流れと分詞構文が指し示している具体的なアクションや状況を考慮することが重要です。
分詞構文の位置
分詞構文が文中でどの位置にあるかも意味の理解に役立ちます。例えば、文の先頭に置かれた場合は、しばしば時や理由を表すことが多いです。
進行形と受動形の識別
現在分詞はingがつくので、現在進行形で使われているケースと分詞構文で使われているケースで区別が必要です。また、過去分詞も同様にして、単に過去形として使われているのか、受動態を表しているのか、分詞構文として使われているのかを理解することがカギとなります。
前後の語との関連性
分詞構文を含んだ文はしばしば省略されている語があるので、分詞が修飾している名詞や動詞を正確に特定し、どのような関係にあるのかを把握することが必要です。
分詞構文を使って文章を書くときの注意点
分詞構文は英文に情報を追加することができ便利ですが、誤用すると文が不明瞭になることがあります。以下に、分詞構文を使う際の主な注意点を挙げます。
主語の一致
分詞構文の主語を省略する場合は、その主語が文の主要な動作を行う主語と一致している必要があります。主語が一致しないのに主語を省略する場合は、文は文法的に不正確な「懸垂分詞」となり、意味が不明瞭になる可能性があります。
例(誤): Running down the street, the park came into view.(この例では「公園」が走っているわけではないので不適切)
例(正): Running down the street, he saw the park come into view.
分詞の形の選択
現在分詞(-ing形)を使うのか過去分詞(-ed形)を使うのかは「主語」と「現在分詞にしようとしている動詞」の関係によって判断します。例えば以下の文では、Because the dog was covered in mud, the dog needed a bath.が元の文章であり、分詞構文は過去分詞となります。
例: Covered in mud, the dog needed a bath.
(泥で覆われているため、犬は入浴が必要だった。)
過度の使用は避ける
分詞構文を多用すると、かえって文が読みにくくなることがあります。特に複雑な内容を伝える際には、分詞構文の使用を適度に抑え、明瞭さを優先しましょう。
まとめ
分詞構文は英検をはじめとする英語の試験において非常に重要な要素となります。その多様な用途を理解し、正しく使いこなすことは、表現の幅を広げ、英語力を向上させることにつながります。この記事で紹介されたことを参考にしながら、分詞構文をマスターしましょう!
上智大学文学部英文学科卒。同大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了。上智大学学業奨励賞受賞。「教養に裏打ちされた英語力の養成」「将来まで通用する英語力の養成」を掲げ、洞察力に富んだ授業は、受講者の可能性を無限に拡げる。「目標」を明確にし、そこで結果を出すための勉強法や動機付けを個人に最適化した「オンラインパーソナルコーチング」で成果を上げている。Queenの楽曲と『ロミオとジュリエット』を換骨奪胎した演劇『Q: A Night At The Kabuki』(野田秀樹氏脚本)では台本英訳も担当し、字幕サービスに活用されるなど、英語表現力も評価されている。著書に『ビジネスに効く! 英語の教養}(ビジネス社)、『1回1分でサッとおさらいマンガでゆるっと英語』、『英作文トレーニングドリルTransform』(学研プラス)などがある。
・分詞構文の意味とその見分け方
・分詞構文を使うときの注意点