今さら聞けない「by」の正しい使い方と英語フレーズ・イディオム集

基本的な「by」の使い方をマスターしよう

英語で「by」は様々な意味や使い方が存在しますが、まずは基本的な使い方をマスターしましょう。

土岐田健太

「by」の基本的な使い方は、主に以下の3つです!

1) 動作・行為の主体や原因を示す場合
例:The window was broken by him.(彼によって窓が壊された)

2) 通過や横切るときの場所を示す場合
例:I walked by the park.(私は公園のそばを歩いた)

3) 基準を示す時
例:The shoes are sorted by size.(靴はサイズ別に並んでいる)

これらの基本的な使い方を身につけることで、「by」を使った英語表現がよりスムーズになります。他にもさまざまな使い方がありますので、次の項目で一般的な英語フレーズ集を見ていきましょう。

「by」を使った一般的な英語フレーズ集

「by」は英語で非常に多くの場面で使われる前置詞です。「by」を使った一般的な英語フレーズをいくつか紹介します。

  • by oneself(ひとりで)
  • by car/train/bus(車/電車/バスで)
  • by chance(偶然に)
  • by nature(生まれつき)
  • by heart(暗記して)
  • by the end of the day(その日の終わりまでに)
  • by the way(ところで)
  • by mistake(間違って)
  • by far(はるかに)
  • by any means(何としても)

これらのフレーズを覚えておくことで、「by」を使った自然な英会話ができるようになるでしょう。状況に応じて上記のフレーズを使ってみましょう。

役割別「by」の使い方

時間表現での「by」の使い方

英語で「by」を使った時間表現は、ある時点までに何かが完了されることを示します。

「by」を使って時間表現を作る際は、「by」の後に時刻や期間を続ける

例1:「午後5時までに仕事を終わらせたい」→Finish the work by 5 p.m.
例2:「レポートは金曜日までに提出してください」→Please submit the report by Friday.

未来完了文の「by」

「~までに~している」という意味を表現する際に、「by」を使って表した時間範囲内に動作が完了することを伝えることができます。

例1:「明日の朝までに彼女に電話をかけておく」→I will have called her by tomorrow morning.

土岐田健太

このように、「by」を使った時間表現は、英語で非常に重要な要素となります。使いこなすことで、より自然で正確な英語表現ができるようになります!

割合や比較で使う「by」

英語で割合や比較を表すとき、「by」を用いることがあります。「by」は、比率や割合を示す際に、分子と分母をつなげる役割を果たします。以下に、「by」を使った割合表現や比較表現の例を挙げます。

2対1

2つの量や数を1つと比較する場合、「2 to 1」と表現しますが、「2 by 1」でも同じ意味で使われることがあります。

50%増加

ある量が50%増加した場合、「Increased by 50%」と表現できます。「by」は、増加分を示しています。

また、比較の際にも「by」が使われることがあります。

AはBよりも5倍速い

「A is faster than B by 5 times」と表現します。「by」はここで、「どれくらいの差で」を示しています。

このように、割合や比較で「by」を使いこなすことで、より自然な英語表現ができるようになります。次は、連絡手段を表す「by」の活用法について学びましょう。

連絡手段を表す「by」の活用法

英語で連絡手段を表す際にも、「by」が役立ちます。電話で連絡する場合やメールで送る場合など、どのような手段で行われるのかを示すために、「by」を使って表現しましょう。以下に、「by」を使った連絡手段を表す例を紹介します。

例1電話で連絡するby phone(バイ・フォン)
例2メールで連絡するby email(バイ・イーメール)
例3手紙で連絡するby letter(バイ・レター)
例4インターネットを使って連絡するby internet(バイ・インターネット)

このように、「by」を使ってさまざまな連絡手段を表現することができます。連絡する相手や状況に応じて、適切な表現を選んで使いましょう。

イディオムや慣用句での「by」の役割

「by」は英語のイディオムや慣用句にも頻繁に登場します。イディオムや慣用句は、文字通りの意味ではなく、独自の意味やニュアンスを持つ表現です。ここでは、「by」を含むいくつかの一般的なイディオムや慣用句を紹介します。

  1. by all meansぜひとも、是非とも
    例:If you want to join our club, please do so by all means.
  2. by heart暗記して
    例:He knows the poem by heart.
  3. by the wayところで
    例:By the way, have you seen my keys?
  4. by any chanceひょっとして
    例:Do you know, by any chance, where the nearest post office is?
  5. by oneself一人で
    例:She prefers to work by herself.

これらのイディオムや慣用句は、日常の英語会話でよく使われますので、覚えておくと便利です。「by」の役割を理解し、自然な英語表現を身につけましょう。

「by」の注意点とよくある誤用例

「by」は非常に多機能な前置詞であり、英語学習者にとっては誤用しやすい単語でもあります。ここでは、「by」の注意点とよくある誤用例をご紹介します。

「by」と「with」の混同

「by」は主に方法や手段を表すのに対して「with」は具体的な道具や手段を表します。「彼は鉛筆で手紙を書いた」という文では、「by」ではなく「with」を使います。正しい使い方は、「He wrote a letter with a pencil.」です。

「by」を使った動詞の受動態の誤用

受動態表現では、「by」は主語(行為の主体)を示す前置詞ですが、受動態ではない文で誤って「by」を使うことがあります。例えば、「彼がケーキを作った」という文では、「by」は不要で、「He made a cake.」と表現します。

「by」と「until」の混同

「by」と「until」は両方とも時間表現で使われることがありますが、意味が異なります。「by」はその時間には終わっていることを示すのに対し、「until」はその時間まで続いていることを示します。「午後5時までに仕事が終わる」という文では、「by」を使い、「I will finish work by 5 pm.」と表現します。

不要な「by」の使用

「by」はある程度の抽象度があるため、具体的な表現が望ましい場合は、「by」を使わずに、他の前置詞や表現を使うことがあります。例えば、「彼は電車で来た」という文では、「by train」ではなく、「on the train」と表現するのが一般的です。

土岐田健太

注意点や誤用例を理解し、適切な場面で「by」を使うことが重要です。上記のポイントを意識しながら、「by」を活用しましょう!

実践編:「by」を使った英会話例

この章では、「by」を使った実際の英会話例を紹介します。これにより、「by」の使い方をより深く理解し、日常会話で自然に活用できるようになりましょう。

例1:
A: このレポートは金曜日までに提出してください。
B: 了解しました。金曜日までに提出します。
A: Please submit this report by Friday.
B: I understand. I’ll submit it by Friday.

例2:
A: メールで連絡をお願いします。
B: わかりました、メールで連絡します。
A: Please contact me by email.
B: Sure, I’ll contact you by email.

例3:
A: 彼はその成果を達成するために一生懸命働いた。
B: 本当に素晴らしい努力だね。
A: He achieved the results by working hard.
B: It’s truly a great effort.

例4:
A: 今日の夕方までに電話をかけてください。
B: 必ず夕方までにかけます。
A: Please call me by this evening.
B: I’ll definitely call you by then.

これらの英会話例から、「by」の使い方を理解し、自分の英語力に活かしてください。日常生活での「by」の活用を意識することで、英語表現が豊かになります。

この記事の監修者
土岐田健太

上智大学文学部英文学科卒。同大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了。上智大学学業奨励賞受賞。「教養に裏打ちされた英語力の養成」「将来まで通用する英語力の養成」を掲げ、洞察力に富んだ授業は、受講者の可能性を無限に拡げる。「目標」を明確にし、そこで結果を出すための勉強法や動機付けを個人に最適化した「オンラインパーソナルコーチング」で成果を上げている。Queenの楽曲と『ロミオとジュリエット』を換骨奪胎した演劇『Q: A Night At The Kabuki』(野田秀樹氏脚本)では台本英訳も担当し、字幕サービスに活用されるなど、英語表現力も評価されている。著書に『ビジネスに効く! 英語の教養}(ビジネス社)、『1回1分でサッとおさらいマンガでゆるっと英語』、『英作文トレーニングドリルTransform』(学研プラス)などがある。

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