TOEICと英検準1級 どちらがあなたに合ってる?おすすめ試験の選び方

TOEICと英検準1級の特徴と違い

TOEIC(Test of English for International Communication)

TOEIC(Test of English for International Communication)は、主にビジネスシーンでの英語力を測るテストで、リーディングとリスニングの2つのセクションからなります。特に英語のリーディングとリスニング能力に焦点を当てた試験で、スコアが企業においても一般的な英語力の指標として利用されています。試験時間は約2時間で、スコアは10点から990点までとなり、合格基準が設けられていないのでどのスコアでも証明書が発行されます。ただし、企業などでは一定のスコアが求められる場合があります。

英検(英語検定)準1級

一方、英検(英語検定)の準1級は、英語の総合的な能力を測る試験で、リーディング、リスニング、リーディング&ライティング、スピーキング(面接)の4つのセクションで構成されています。英検は日常や学問など幅広い場面での英語力を試すため、TOEICよりも総合的な英語力が求められる試験とされています。試験時間は約3時間半で、合格基準が設けられており、一定のスコア以上でないと合格と認定されません。

土岐田健太

以上の違いから、TOEICはビジネスシーンでの英語コミュニケーション能力を、英検準1級は幅広いシーンでの総合的な英語力を測る試験と言えます!

自分の目的に合わせた試験選び

英語の試験を受ける目的は人それぞれです。自分がどのような目的で英語力を身につけるのか、そしてそのためにどの試験が最適なのか考えることが重要です。例えば、ビジネス英語を中心に学びたいのであればTOEICが向いています。一方で、英語の幅広い知識や実用性を身につけることを目指すのであれば、英検準1級がおすすめです。また、将来的に海外での就労や留学を考えている場合、どちらの試験も取得しておくという選択肢もあります。どちらの試験も、実際に受けた経験を持っている先輩や友人、インターネット上の情報などを参考にして、自分に合った試験を選ぶようにしましょう。

TOEICが向いている人の特徴

まずは、TOEICが向いている人の特徴について詳しく見ていきましょう。TOEICは、ビジネス英語を中心にしたリスニング・リーディングを評価する試験です。そのため、次のような特徴を持つ人に向いています。

  1. ビジネス英語に強い関心がある人
  2. 将来的に海外で働く可能性がある人
  3. 英語での読み書きが得意な人
  4. 英会話よりも文法や語彙に自信がある人
  5. 自分の英語力をアピールするために、国際的に認知度が高い試験を受けたい人
  6. 企業への就職や転職活動で英語力を証明したい人

TOEICはビジネスシーンでのコミュニケーション能力を測る試験であり、世界中で知名度が高いため、英語力をはかる指標として証明力が高いとされています。これらの特徴に当てはまる人は、TOEICを受験してみることを検討してみてください。

英検準1級が向いている人の特徴

英検準1級は、英語能力を総合的に評価する試験で、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能を網羅しています。そのため、日常生活やビジネスシーンで英語を使う機会が多い方や、英語圏での留学・仕事を目指す方に向いています。また、英語でのコミュニケーション能力を重視する企業への就職活動でも有利とされています。

また、英検準1級を取得することで、英語教育や国際交流の分野で働くことを目指す方にもおすすめです。英検準1級は、英語教員免許や通訳・翻訳の資格試験への道を開くことも可能であるため、英語を生かした専門職に就きたいと考えている方にも適した試験です。

さらに、英語を話すことに自信があり、英検のような発表やスピーキングの試験対策が得意な方にも向いています。英検準1級ではスピーキング力が重視されるため、自身の英語表現力を磨くことが好きな方にも適した試験と言えます。

最後に、英検準1級取得には、英語に関する幅広い知識や、英語での議論やプレゼンテーションが求められます。そのため、英語学習に対して真剣であり、高い目標を持っている方にピッタリの試験となっています。

受験料や試験日程を考慮するポイント

英語の試験を受ける際、受験料や試験日程も重要なポイントの一つです。TOEICと英検準1級では、試験料が異なります。

TOEICは7,810円(税込)(2023年4月現在)で、年間に多くの回数開催されているため、都合の良い日程を選びやすいです。

一方、英検準1級は受験料が9,800円(2023年4月現在)で、年間に3回程度しか開催されていません。まずは、自分の予算やスケジュールに合わせて、どちらの試験が適しているか考えましょう。

また、試験会場へのアクセスも考慮すべきポイントです。TOEICは全国各地で受験できますが、英検準1級は特定の試験会場でしか受けられない場合があります。住んでいる地域や移動範囲によって、どちらの試験が受けやすいかも検討してください。

さらに、試験結果の発表や有効期限も重要です。TOEICのスコアは結果が発表されてから2年間有効ですが、英検準1級は基本的に有効期限がありません。ただし、一部の企業や学校が自分たちで有効期限を設けていることがあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

このように、受験料や試験日程、会場アクセス、結果の有効期限などを考慮し、自分に合った試験を選びましょう。

どちらの試験も活用するメリットとデメリット

両方の試験を活用する場合、それぞれの試験の特色を生かし、英語力の向上が期待できます。TOEICはビジネスシーンでのコミュニケーション能力を測るため、実際の仕事で役立つスキルを身につけることができます。英検準1級では、実用的な英語力をはかることができるため、日常会話や実践的な英語力を習得することが可能です。

しかしながら、デメリットとしては、受験料や勉強時間が2倍になる点が挙げられます。両方の試験に対応するために十分な勉強時間を確保する必要があります。また、試験日程が重なることがあるため、どちらか一方の試験を優先させる判断が必要になることもあります。

最終的には、自分の目標や優先順位によって、どちらの試験を選ぶか、あるいは両方の試験を活用するか決めることが重要です。自分の英語力を最大限に伸ばすために、効率的な試験対策を立てましょう。

この記事の監修者
土岐田健太

上智大学文学部英文学科卒。同大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了。上智大学学業奨励賞受賞。「教養に裏打ちされた英語力の養成」「将来まで通用する英語力の養成」を掲げ、洞察力に富んだ授業は、受講者の可能性を無限に拡げる。「目標」を明確にし、そこで結果を出すための勉強法や動機付けを個人に最適化した「オンラインパーソナルコーチング」で成果を上げている。Queenの楽曲と『ロミオとジュリエット』を換骨奪胎した演劇『Q: A Night At The Kabuki』(野田秀樹氏脚本)では台本英訳も担当し、字幕サービスに活用されるなど、英語表現力も評価されている。著書に『ビジネスに効く! 英語の教養}(ビジネス社)、『1回1分でサッとおさらいマンガでゆるっと英語』、『英作文トレーニングドリルTransform』(学研プラス)などがある。