TOEICの種類:各テストを理解する
TOEIC(Test of English for International Communication)は、世界中でビジネスシーンを中心に使用される英語のコミュニケーション能力を測る試験です。そのため、就職活動や海外留学、さらには英語力のアピールに有用な資格です。
TOEICには大きく分けて3つの種類があります。
TOEIC®テスト
主なテストは下記2つ になります。
TOEIC Listening & Reading Test(リスニング&リーディングテスト)
これは、最も一般的なTOEIC試験で、リスニングとリーディングの2つのセクションから構成されています。試験時間は約2時間で、スコアは10点から990点までの範囲です。
企業や学校での英語力判断の基準とされることが多いため、社会人や学生にもっともおすすめのテストです。
リスニングセクション
英語の音声を聞いて、質問に回答する形式。4つのパートからなり、100問の設問が出題されます。
リーディングセクション
英語の文章を読んで、質問に回答する形式。3つのパートからなり、100問の設問が出題されます。
TOEIC Speaking & Writing Test(スピーキング・ライティングテスト)
この試験は、英語のスピーキングとライティング能力を測るもので、各セクション別にスコアが付けられます。スピーキング部門のスコアは0-200点、ライティング部門のスコアは0-200点です。
スピーキングセクション
口頭で英語を話す能力を測るための試験。6つのタスクがあり、自己紹介から始まり、画像や情報に基づいて意見を述べるタスクなどが含まれます。
ライティングセクション
英語でのライティング能力を評価するための試験。2つのタスクがあり、写真の説明や指示に基づいてエッセイを書くことが求められます。
TOEICは、ビジネスの現場でのコミュニケーション能力を評価することを目的としており、世界中の企業や教育機関で幅広く認知されている試験です。
これらの試験を受けることで、自分の英語力を客観的に評価し、改善のための具体的な目標を立てることができます。
図で理解しよう!TOEICの種類
TOEIC® テストの他に、TOEIC Bridge® テストがあります。
どのような試験があるか詳しくは下記の図でみていきましょう。
TOEICの公開テストとIPテストの違いは?
TOEICの公開テストとIP(Institutional Program)テストは、どちらもTOEIC Listening & Reading Testですが、主に受験の目的と実施方法が異なります。
公開テスト
- 一般の受験者が誰でも受験できます。
- ETS(Educational Testing Service)が公式に主催しています。
- 定期的に開催される(通常は月に1回以上)。
- 公式なスコア証が発行され、企業や学校などに提出することができます。
IPテスト
- 特定の企業、学校、または団体で実施される内部試験です。
- ETSが直接主催していないため、公式なスコア証が発行されません。
- 主に企業や学校が社員や学生の英語力を評価・診断する目的で使用されます。
- 各団体が実施時期や場所を自由に設定できます。
TOEIC受験目的別:あなたに最適なテストを選ぶ
TOEICにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる目的に対応しています。まずは、あなたがなぜTOEICを受験するのか、その目的を明確にしましょう。以下に、一般的なTOEIC受験の目的別のテスト選びのポイントをご紹介します。
就職活動や昇進のため
TOEICの中でもっとも一般的で、企業内での英語力評価にも使われることの多い「TOEIC Listening & Reading Test」を受験しましょう。これは、リスニングとリーディングの2つのセクションからなり、多くの企業がスコアを求めています。
英語でのコミュニケーション力を高めたい
「TOEIC Speaking & Writing Test」は、英語でのスピーキングとライティング能力を測るテストです。英語でのコミュニケーション力を磨きたい方には、このテストがおすすめです。
留学を考えている
留学先の大学や専門学校がTOEICスコアを求めている場合があります。「TOEIC Listening & Reading Test」や「TOEIC Speaking & Writing Test」のどちらか、あるいは両方を受験することが必要になるでしょう。
英語教員になりたい
英語教員になるためには、「TOEIC Bridge」という初級者向けのテストが適しています。このテストは、リスニングとリーディングの2つのセクションから成り立っており、基本的な英語力を評価することができます。
最終的には、あなたが目指す目標やライフスタイルに合わせて、最適なTOEICテストを選ぶことが大切です。しっかりと目的を見極めて、自分に最適なテストを選びましょう。
TOEICのレベル別対策と効果的な学習方法
TOEICのスコアは10〜990点で判定され、レベル別に対策を立てることが効果的な学習方法となります。以下に、各レベル別の対策方法をご紹介します。
- 初級者(10〜300点)
初級者の方は、基本的な英単語や文法を学ぶことから始めましょう。リスニング力を鍛えるためには、簡単な英語の会話やニュースを聞くことで慣れていきます。また、簡単な英文法のテキストやTOEIC対策教材を使って文法を学ぶことも重要です。 - 中級者(300〜600点)
中級者の方は、リスニング力とリーディング力の両方をバランスよく向上させることを目指します。リスニング力向上のためには、より難易度の高い英会話や講演を聞いてみると良いでしょう。リーディング力向上のためには、英語の記事や文献を読み、未知語や慣用句を手元にメモすることがおすすめです。 - 上級者(600〜800点)
上級者の方は、実践力を身に付けることが重要です。リスニング力を鍛えるためには、ネイティブの英会話やディベートを聞いたり、映画やドラマを視聴することで、英語のニュアンスやイディオムを学びます。また、リーディング力向上のためには、専門書や論文を読むことで、高度な語彙や表現に慣れることが大切です。 - エキスパート(800〜990点)
エキスパートの方は、細かな点数稼ぎを目指します。効果的な学習方法としては、過去問を繰り返し解いたり、模擬試験を受けて自分の弱点を克服しましょう。また、実際のビジネスシーンで活用できる英語力を身に付けることで、TOEICの高得点を獲得できるでしょう。
いずれのレベルでも、計画的に学習を進め、自分に合った教材や学習方法を取り入れることが重要です。無理せず、効果的な学習方法で着実にスキルアップを目指しましょう。
具体的な学習方法はこちらの記事をご確認ください。
目標スコアを達成するための勉強スケジュールの立て方
目標スコアを達成するためには、効果的な勉強スケジュールが不可欠です。まず、現在の英語力を把握し、目標スコアに到達するまでにどれくらいの時間が必要かを見積もります。
具体的なスケジュールの立て方は以下の通りです。
- 短期目標と長期目標を設定する
目標スコアだけでなく、途中経過としての短期目標も設定しましょう。例えば、3ヶ月後に100点アップ、6ヶ月後に200点アップという具合です。 - 時間割を作成する
毎日の勉強時間を決めて、時間割を作成しましょう。短時間でも継続することが重要です。また、週末にリスニングやリーディングなど特定のスキルに集中する時間を設けることも効果的です。 - 学習内容をバラエティ豊かにする
単語や文法だけでなく、リスニングやリーディングなどもバランスよく学習しましょう。また、過去問や模擬試験を活用することで、実力を把握しやすくなります。 - 定期的に進捗を確認する
自分の進捗を定期的に確認しましょう。目標達成までの途中経過を把握することで、モチベーションが上がります。
最後に、無理のないペースで勉強を続け、自分に合った勉強方法を見つけることが大切です。英語力向上には時間がかかりますが、焦らずコツコツと努力を重ねることが大切です。
TOEIC受験費用と申し込み方法
TOEICの受験費用は、各テストごとに異なります。一般的には写真の通りの料金となっております。(2023/04/09)また、学生や企業向けには割引料金が適用される場合がありますので、詳しくは公式ウェブサイトで確認してください。
TOEICの申し込み方法は、公開テストの場合、公式ウェブサイト会員登録をし申し込む方法があります。インターネット申し込みは、クレジットカードで支払いが可能で、すぐに試験日程や会場を確保できます。
IPテストの場合は、受験したい学校や企業が主催するテストに申し込む必要があります。そのため、詳細は各学校や企業に問い合わせてください。
TOEICの受験申し込みは、試験日の約1か月前までに行わなければなりません。人気の会場や日程はすぐに埋まることがあるので、早めに申し込みを済ませることをおすすめします。受験票が郵送されてくるので、試験当日は忘れずに持っていくようにしてください。
これで、あなたもTOEICの受験申し込みがスムーズにできることでしょう。しっかり対策をして、目標スコアを達成しましょう!
上智大学文学部英文学科卒。同大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了。上智大学学業奨励賞受賞。「教養に裏打ちされた英語力の養成」「将来まで通用する英語力の養成」を掲げ、洞察力に富んだ授業は、受講者の可能性を無限に拡げる。「目標」を明確にし、そこで結果を出すための勉強法や動機付けを個人に最適化した「オンラインパーソナルコーチング」で成果を上げている。Queenの楽曲と『ロミオとジュリエット』を換骨奪胎した演劇『Q: A Night At The Kabuki』(野田秀樹氏脚本)では台本英訳も担当し、字幕サービスに活用されるなど、英語表現力も評価されている。著書に『ビジネスに効く! 英語の教養}(ビジネス社)、『1回1分でサッとおさらいマンガでゆるっと英語』、『英作文トレーニングドリルTransform』(学研プラス)などがある。
要約すると、公開テストは公式な試験で認定されるスコアが発行されるため、求職活動や留学などの目的で使用されます!
一方、IPテストは企業や学校などで内部的に英語力を評価する目的で実施され、公式なスコア証が発行されません!